前回に引き続き事業“昇慶”第三の要諦「引き継ぐものを明確にすること」の内、「商品・サービスの本質」について考えます。
ここでいう「商品・サービスの本質」とは、
「我が社はどんな商品・サービスを提供することによって
経営理念を実現しようとしているのか」
を明らかにするものです。企業が長期的に自社の存続を委ね、経営資源を効果的に投入していく市場内の生存領域を現しているとも言えます。
そのためにはまず、「お客様を誰にするか、どのような人々にするか」を明確にしなければなりません。対象とするお客様が不明確であれば、どのような商品・サービスを提供すればよいかが確定しようがないからです。
少し話がそれますが、そのお客様は成長性の高い、将来性のあるお客様であることが重要です。そうであれば、その事業は特別なアクシデントがない限り、より少ない経営資源の投下で高い成長を実現することができます。逆に、成長性の低い事業分野に位置することを決めれば、極めて非効率な経営を余儀なくされることになってしまいます。
企業は自社の事業分野をより成長性の高いところへ位置移動することによって、存続を、そして成長を実現することができるのです。「企業は環境適応業である」とはこの意味です。
さて、生存領域たる「商品・サービスの本質」、これまでのお客様からの信頼の源泉たるこの本質をどのように見極め、引き継いでいけばよいのか。この時、「3F分析」を応用されると明確にしやすいかと思います。
3Fとは「FACT(事実)」「FUNCTION(機能・役割)」「FOR YOU(お客様の利益)」の頭文字を取ったものです。100円ライターを例に取れば、次のように展開されます。
(事実) (機能) (利益)
・プラスチック製である →透明で、ガス量がわかる→最後まで使えて経済的
・炎調整ノブがついている→最適な炎に調整できる →安心して使えて経済的
・対人賠償責任保険が →万一の事故があっても →安心して使える
ついている 保証される
・ガス室が二層である →ガス圧が分散される →丈夫で安心して使える
・100円である →安い(機能) →気楽に買えて、 なくしても惜しくない
要するに100円ライターは「経済的」「安心・安全」という利益がお客様に最も評価されているところであり、“商品の本質”といえるところでもあるのです。
この3F分析を活用し、創業者・先代・現経営者が追及してきた“商品・サービスの本質”とは何かを明確にし、何を引き継ぐべきかをきちんと考えておくことは、非常に大切なことといえます。
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